社会保険制度を学ぼう!その4【FP試験の独学勉強法】

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FP3級のFP試験での社会保険制度の雇用保険について解説
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24-LifeDesign ファイナンシャルプランナー あくのえふぴーです。

 

今回も前回に続いて、ライフプランニングの中の社会保険制度についてお話したいと思います。

 

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ここでは社会保険制度の中の「雇用保険」について解説していきたいと思います。

それではいきましょう!

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労働保険のおさらい

まずは労働保険について前回同様、おさらいしていきます。

 

労働保険は、労働者が安心して働けるように整備された公的保険です。

業務上等の事故をカバーする労災保険」と、

失業の際の給付や教育訓練を受けた場合の給付などを行う雇用保険」にわけられます。

 

労働保険は強制加入というのがポイントで、労働者を1人でも使用する事業主は、原則として労働保険の加入が義務付けられています。

 

今回は労働保険の中の「雇用保険」を解説していきたいと思います。

雇用保険の概要

雇用保険は、労働者が失業した場合に必要な給付を行ったり、再就職を援助し労働者の生活や雇用の安定を図ることを目的とした制度です。

 

「雇用保険法」でいう失業とは、「被保険者が離職し、労働の意思および能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にある」ことをいいます。

 

また、求職活動の促進と援助、失業の予防、雇用機会の増大、労働者の能力開発などを図るために、失業等給付以外に雇用安定事業や能力開発事業を行っています。

雇用保険の全体図

ハローワーク情報局参照)

雇用保険料

雇用保険料は、事業主と被保険者が負担することになりますが、業種によって保険料率や被保険者の負担率も変わります。

被保険者分は給与や賞与から天引きされ、事業主が一緒に納付します。

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雇用保険の給付内容

雇用保険では、働く意思と能力があるにもかかわらず仕事につけない状態を「失業」とみなし、ハローワーク(公共職業安定所)で手続きを行うことで給付を受けられ、実際に失業した場合に、支給されるのが求職者給付の「基本手当」というものです。

 

基本手当の受給要件と失業認定

求職者給付を受けるための要件や失業の認定手順を解説していきたいと思います。

受給要件

離職の日以前の2年間に、被保険者期間(賃金支払の基礎となる日数が11日以上の月)が通算して12カ月以上ある65歳未満の人が、失業した場合に支給されます。

ただし、倒産、解雇等による離職の場合、特定受給資格者として離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6カ月以上ある場合に支給されます。

 

失業認定と給付制限

基本手当は、退職するとすぐに受給できるわけではなく、「失業の認定」を受けることが条件になります。

また、退職した事由によって支給開始時期などに給付制限があります。

 

失業の認定を受ける手順

退職後、離職票を本人の住所を管轄するハローワークに持参し、求職の申し込みをします。

その後、4週間に1回ずつ、受給資格証明に記載された失業の認定日にハローワークに行き、直前の28日の各日について失業認定を受けて、基本手当を受給します。

 

自己都合による退職や本人の責めによる解雇などは、7日間の待機期間に加えて、最長3カ月の給付制限があるので、この期間は基本手当が支給されません。

ただし会社都合や定年等による退職の場合、待期期間の7日を過ぎると支給されます。

 

自分で決めた離職の場合は約3カ月後から支給され、自分の意思ではない離職の場合は7日後から支給される、と覚えておきましょう。

 

基本手当のさまざまな所定給付日数

基本手当が受けられる日数(所定給付日数)は、離職理由や離職時の年齢、被保険者期間によって異なる点に注意しましょう。

 

自己都合退職、定年退職、契約期間満了の場合

被保険者期間であった期間

離職時の年齢 10年未満 10年以上
20年未満
20年以上
65歳未満 90日 120日 150日

 

倒産、解雇、一定の要件を満たす雇止めなど会社都合で離職した場合

被保険者期間であった期間

離職時の年齢 1年未満 1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日
30歳以上35歳未満 180日 210日 240日
35歳以上45歳未満 240日 270日
45歳以上60歳未満 180日 240日 270日 330日
60歳以上65歳未満 150日 180日 210日 240日

 

障害者等の就職困難者

被保険者期間であった期間

離職時の年齢 1年未満 1年以上
45歳未満 150日 300日
45歳以上65歳未満 360日

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受給期間

受給期間とは、基本手当の受給可能な期間です。

原則、離職の日の翌日から1年間の受給期間内に限り、所定給付日数分の基本手当を受給できます。

 

ただし、出産、育児、疾病等で就業できない場合は、申請により最大4年間(加算されるのは3年間)まで受給の延長が可能です。

また、60歳以上の定年などによる離職の場合は、最大2年間(加算されるのは最大1年間)まで受給期間を延長できます。

 

基本手当の給付額

1日当たりの給付額「基本手当日額」は、賃金日額に一定の率(50%~80%)を乗じて計算します。

「賃金日額」は、被保険者の離職日前6カ月間に支払われた賃金総額(賞与等は除く)を180で割った金額です。

なお、離職日の年齢によって上限が設けられています。

 

基本手当日額=賃金日額×賃金日額に応じた率(50%~80%)

 

高年齢求職者給付金

65歳以上で雇用されている人(65歳以上で新たに雇用される者を含む)が離職した場合に、一時金で受給されます。

被保険者期間1年未満は基本手当日額の30日分、1年以上は基本手当日額の50日分が支給されます。

 

就職促進給付

失業者の再就職を支援する就職促進手当には、「再就職手当」「就業手当」などがあります。

 

再就職手当」は、一定の要件を満たした基本手当の受給資格者が再就職した場合、基本手当の所定給付日数が3分の1以上残っているときに支給残日数の60%、所定給付日数が3分の2以上残っているときは支給残日数の70%に相当する日数分の一時金が支給されます。

また、再就職後の賃金が離職前の賃金より低下した場合は、6カ月間職場に定着することを条件に、低下した賃金の6カ月分が就業促進定着手当として一時金で支給されます。

 

就業手当」は、基本手当を受給している人が、再就職手当の支給対象とならないアルバイトなど非常用型の職業に就業した場合に支給されます。

基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上残っているときに支給され、就業手当の日額は、基本手当日額の30%です。

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教育訓練給付

教育訓練給付は、労働者等が自分で費用を負担して、厚生労働大臣が指定する講座を受講し、修了した場合に、その費用の一部が支給されます。

 

教育訓練給付には、「一般教育訓練給付金」と「専門実践教育訓練給付金」があります。

一般教育訓練給付金 専門実践教育訓練給付金
給付を受けられる人 雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めての受給の場合は1年以上)の被保険者が、厚生労働大臣指定の教育訓練を受講し、修了した場合 雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めての受給の場合は2年以上)の被保険者が、厚生労働大臣指定の専門的かつ実践的な教育訓練を受講し、修了した場合
支給額 受講料等の20%相当額

(上限は10万円)

・受講料等の50%相当額

(上限は年間40万円、給付期間は3年間)

・資格取得のうえ、就職につながった場合プラス20%

(上限は年間56万円)

 

上記の「専門実践教育訓練給付金」を受給できるひとで一定の人は「教育訓練支援給付金」を受給することができます。

教育訓練支援給付金
給付を受けられる人 初めて専門実践教育訓練金を受給する人で、45歳未満の離職者などは、教育訓練期間中にこの給付金を受給することができる
支給額 受講期間中、雇用保険の基本手当相当額の80%が支給される

 

雇用継続給付

高齢者や育児・介護をしている人に対して必要な給付を行い、雇用の継続を促すための制度で、「高年齢雇用継続給付」「育児休業給付」「介護休業給付」の3つがあります。

高年齢雇用継続給付

被保険者の期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の被保険者で、賃金が60歳時点に比べて75%未満になった人に賃金の一定割合が支給され、賃金が61%未満になった場合は、賃金の15%の額が支給されます。

 

高年齢雇用継続給付には、基本手当を受給せずに雇用を継続したときの「高年齢雇用継続基本給付金」と、基本手当を受給した後、再就職したときに支給される「高年齢再就職給付金」があります。

 

育児休業給付

原則として、1歳未満のこを養育するために育児休業を取得する被保険者が対象になります。

育児休業開始前2年間に被保険者期間(賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月)が12カ月ある場合に支給されます。

 

育児休業開始日から原則として1ヶ月ごとを支給単位期間として、休業開始後180日目までは休業前賃金の67%相当額、181日目からは休業前賃金の50%相当額が支給されます。

なお、休業中に80%以上の賃金が支払われる場合、給付金は支給されません。

 

介護休業給付

「介護休業給付」の対象者は、要介護状態にある配偶者や父母、子、祖父母、孫、兄弟姉妹、配偶者の父母を介護するために介護休業した被保険者です。

介護開始前2年間に賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月が12カ月以上ある場合に介護休業給付金が支給されます。

 

支給額は、休業開始時賃金の67%で、同一の対象家族について通算して93日を限度に支給され、3回まで分割取得が可能です。

なお、休業中に、80%以上の賃金が支払われる場合、給付金は支給されません。

 

まとめ:社会保険制度を学ぼう!その4

今回のお話はいかがだったでしょうか?

FP試験では1問出題されるかどうかの範囲です。

 

出題のポイント

①教育訓練給付金から支給される額には上限がある

②求職者給付の基本手当受給までの待期期間の日数

 

仕事でもしものことがあったときにこの範囲を覚えておけば将来役に立つ知識なのでしっかり覚えておきましょう!

次回からは「公的年金」についてお話していきたいと思います。

それでは! あくのえふぴー

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