24-LifeDesign ファイナンシャルプランナー あくのえふぴーです。
前回まで、ライフプランニングを行うための「ライフイベント表」「キャッシュフロー表」「個人バランスシート」についてお話してきました。
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今回はライフプランニングにおいて、資金計画を立てる際に使用する「6つの係数」についてお話していきたいと思います。
それではいきましょう!
6つの係数とは
「6つの係数」とは、資金計画を立てる際、色々なシミュレーションが必要になりますが、そこで便利なのが「6つの係数」です。
つまりこの係数を使用すれば資金計画を立てるために必要な金額が、簡単に計算できるのです。
まず、6つの係数を一覧表にして説明していきたいと思います。
6つの係数の図表と解説
6つの係数表
①終価係数 | 一定金額を複利運用していった場合、
一定期間後にいくらになるかを示す係数 |
②現価係数 | 一定期間後に一定金額を得るためには、
いくらの元本が必要なのかを示す係数 |
③減債基金係数 | 一定期間後に一定金額を得るためには、
毎年どれだけの金額を積立すればいいのかを示す係数 |
④年金終価係数 | 毎年、一定金額を積立していく場合、
一定期間後の積立総額(元利合計)はいくらになるかを示す係数 |
⑤資本回収係数 | 一定金額を一定期間で取り崩していく場合、毎年どれくらいの金額になるかを示す係数。
毎年受け取れる年金額、あるいは毎年のローン返済額を計算する場合に使用する。 |
⑥年金現価係数 | 一定期間、一定金額を受け取るためには、いくらの元本が必要なのかを示す係数。
必要な年金原資額、あるいは年間ローン返済額から借入可能な金額を計算する場合に使用する。 |
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6つの係数の解説と各係数の係数表
ここからは「6つの係数」をひとつづつ解説や計算例をお話していきたいと思います。
注:それぞれの図表は略しているので、2年後や3年後、2%や6%の係数もちゃんとあります。他の年数の係数など、詳しく調べたい場合は検索エンジンなどで検索すれば色々出てくると思います。
①終価係数
終価係数とは、現在の金額を複利で運用した場合の、一定期間後の金額求める場合に用いる係数です。
・終価係数表
年数・年率 | 1% | 3% | 5% |
1年 | 1.010 | 1.030 | 1.050 |
5年 | 1.051 | 1.159 | 1.276 |
10年 | 1.105 | 1.344 | 1.629 |
・計算例
問:元本100万円を年利率3%で複利運用すると、5年後にはいくらになっているか。
答:終価係数表で、利率の3%と年数5年が交差する係数(1.159)から、元利合計を求めることができます。
1,000,000円×1.159=1,159,000円
②現価係数
現価係数とは、一定期間後に達するために必要な元本を求める場合に用いる係数です。
・現価係数表
年数・年率 | 1% | 3% | 5% |
1年 | 0.990 | 0.971 | 0.952 |
5年 | 0.952 | 0.863 | 0.784 |
10年 | 0.905 | 0.744 | 0.614 |
・計算例
問:5年後に500万円の資金を貯めたい。年利率1%で複利運用する場合、現在からいくら預ければよいか。
答:現価係数表で、利率1%と年数5年が交差する係数(0.952)から、預け入れ資金を求めることができます。
5,000,000円×0.952=4,760,000円
③減債基金係数
減債基金係数とは、一定期間後に一定金額を用意するために、毎年の積立額がいくら必要か計算するための係数です。
・減債基金係数表
年数・年率 | 1% | 3% | 5% |
1年 | 1.000 | 1.000 | 1.000 |
5年 | 0.196 | 0.188 | 0.181 |
10年 | 0.096 | 0.087 | 0.080 |
・計算例
問:10年後に1000万円の資金を貯めたい。年利率5%で複利運用すると、毎年の積立金はどれくらい必要か。
答:減債基金係数表で、利率5%と年数の10年が交差する係数(0.080)から、積立額を求める。
10,000,000円×0.080=800,000円
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④年金終価係数
年金終価係数とは、毎年一定額を積み立てた場合の、一定期間後の元利合計を求める場合に用いる係数です。
・年金終価係数表
年数・年率 | 1% | 3% | 5% |
1年 | 1.000 | 1.000 | 1.000 |
5年 | 5.101 | 5.309 | 5.526 |
10年 | 10.462 | 11.464 | 12.578 |
・計算例
問:毎年100万円を年利率3%の複利運用で積み立てた場合、5年後の元利合計はいくらなるか。
答:年金終価係数表で、年率3%と年数5年の交差する係数(5.309)から、5年後の元利合計を求める。
1,000,000円×5.309=5,309.000円
⑤資本回収係数
資本回収係数とは、現在の一定金額を一定期間で取り崩した場合の毎年の受取額を計算するための係数です。
・資本回収係数表
年数・年率 | 1% | 3% | 5% |
1年 | 1.010 | 1.030 | 1.050 |
5年 | 0.206 | 0.218 | 0.231 |
10年 | 0.106 | 0.117 | 0.130 |
・計算例
問:2,000万円を年利率3%で複利運用しながら10年間、毎年均等に年金として受け取りたい場合、受け取り金額はいくらなるか。
答:資本回収係数表で、利率3%と年数10年の交差する係数(0.117)から、毎年の年金受取額を求める。
20,000,000円×0.117=2,340,000円
⑥年金現価係数
年金現価係数とは、将来の一定期間にわたって一定額を受け取るために必要な元本を計算するための係数です。
・年金現価係数
年数・年率 | 1% | 3% | 5% |
1年 | 0.990 | 0.971 | 0.952 |
5年 | 4.853 | 4.580 | 4.330 |
10年 | 9.471 | 8.530 | 7.722 |
・計算例
問:毎年100万円ずつ10年間受け取りたい場合、年利率5%で複利運用すると、手元にいくらの資金が必要か。
答:年金現価係数表で、利率5%と年数10年の交差する係数(7.722)から、必要資金を求める。
1,000,000円×7.722=7,722,000円
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6つの係数を 覚えやすくするには
ここまで6つの係数について解説してきましたが、
「ややこしくて難しい!」「係数の名前だけではイメージが沸きづらい!」と思った方もいるかもしれません。
なので、ここでは「6つの係数」を3つの系統に分けていくと覚えやすいのでお話していきたいと思います。
①定期預金系:終価係数・現価係数
終価係数は「元本を複利で運用すると、将来いくらになるか?」を求めるときに、
現価係数は「将来の目標金額を達成するために、必要な元本は?」を求めるときに使う係数です。
この2つの係数は、例えると定期預金に元本を一括で預けた場合の将来の元利合計(終価係数)と、将来目標金額のためにいくら元本を一括でいくら預けるのか(現価係数)のように使います。
②積み立て系:年金終価係数・減債基金係数
年金終価係数は「毎年一定額の積立てをした場合に、将来いくらになるか?」を求めるときに、
減債基金係数は「将来の目標積立て金額を達成するために、毎年いくら積み立ればよいか?」を求めるときに使う係数です。
注:「年金終価係数」は、年金現価係数ではなく、「減債基金係数」とセットですので間違えないようにしましょう!
③取り崩し・返済系:年金現価係数・資本回収係数
年金現価係数は「毎年一定金額を受け取るために必要な元本を求めるとき」に使う係数です。
資本回収係数の方は、「元本を取り崩して毎年受け取れる金額を求めるとき」に使う係数です。
この2つは難しくややこしいのでしっかり覚えましょう。
最後に表にしておきましょう。
①定期預金系 | 終価係数
現価係数 |
②積み立て系 | 年金終価係数
減債基金係数 |
③取り崩し・返済系 | 年金現価係数
資本回収係数 |
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まとめ:FP試験で必ず出題される 6つの係数とは?
今回のお話はいかがだったでしょうか?
FP試験において6つの係数の問題は必ず出題されています。
しっかり理解しておかないと回答できないのはなぜかというと、過去問からどのように出題されているか確認するとわかります。
・過去問
問:Aさん(40歳)が、老後資金として2,000万円を準備するために、20年間、毎年均等に積み立て、利率(年率)1%で複利運用する場合、必要となる毎年の積立金額は( )である。なお、計算にあたっては下記の<資料>の係数を使用して算出するものとする。
はい、すでにややこしいです(笑)
ですが、しっかり覚えておけばどの係数を利用すればいいのか理解できると思います。
<資料>利率(年率)1%・期間20年の各種係数
現価係数 | 減債基金係数 | 年金現価係数 |
0.8195 | 0.0454 | 18.0455 |
1) 819,000円
2) 908,000円
3) 1,000,000円
この問題は「減債基金係数」を使って計算することによって答えを導き出します。
20,000,000円×0.0454=908,000円
となり、解答は2になります。
このような問題が、学科試験(午前)、実技試験(午後)の両方に出題されやすいので、しっかり覚えましょう!
FP試験に興味のない方も積立投資をしている人は年金終価係数をしようして、自分の積立投資金額が最終的いくらくらいになるのか計算してみると楽しいかもしれませんよ!
次回はこちらからどうぞ
教育資金のプランニングをしよう!【FP試験の独学勉強法】教育資金のプランニング、つまり教育にかかる費用についてお話していきたいと思います。
それでは! あくのえふぴー
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